外国人労働者、家事にも受け入れ 今秋に関西の特区で

http://digital.asahi.com/articles/ASG6G5CHXG6GULFA003.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG6G5CHXG6GULFA003

タイミング良くこんな記事が出ていた。うち(シンガポール)ではこの2年間、フィリピン人の住み込みメイドさんがいた。丁度今日、彼女は二年の任期を終えて、次はヨーロッパへ行きたいという本人の強い希望から新しい国へ行くことになった。お給料もよくなるだろうし、本人が行きたいと思っていた国へ行くのは喜ばしい事なので、空港まで送りに行った。でも、彼女は実はずっと前から日本に行きたいとも願っていた。だからこのニュースの事を教えてあげると、彼女は凄く喜んでいた。この二年間が終わったら、私は遂に日本に行けるかもしれないんですね、と。彼女には、恩人とも言える、おばさんが日本にいるらしい。子供の頃はたまに遊びに行く許可が出ていたが、一定の年齢を超えてからは、ビザが出なくて、彼女はそのおばさんと会えなくなってしまった。彼女は日本へは何度か行っており、とても日本が好きだ。実際、彼女の日本語は1か月しか日本にいた事がないとは思えないほど上手で、うちに来てから、少しひらがなを教えたら発音は格段に良くなり、新菜と日本語で会話するほどだった。カタコトではあったけど、それでも私ではない人と新菜が日本語で話しているのを見るのは、私にも嬉しいことだった。

彼女との別れは寂しいけれど、これからも新しい事にチャレンジして、どんどん成長してほしい。この『家族ではないけど家族同然に接してくれていた人』との別れを新菜と一緒に乗り越えて、サポートしていくことも、雇用者として、親としての責任だと思ってる。実際は次2週間、私一人で勘の狂ってしまった家事や料理を自分で出来るようにならなきゃいけないので、精一杯だと思うけど。

この外国人家事手伝いに関しては、男性視点から、国政としての関連から語られる事が多いけれど実際は、女性がこの制度を上手く利用出来るかに成功がかかっている。だからこそ、女性視点で、人を雇う事に関してのプラスとマイナスを書いてみようと思う。

プラス:

1)旦那さんとの時間が持てる、お互いの事を思いやる余裕が出来る。

これが実は一番大きいと思う。うちの旦那はイクメンでカジメン。仕事もしっかりやる、凄い人なのだ。感謝はしているけど、疲れてるとつい喧嘩腰になってしまう事は良くあった。メイドさんが来てからは、子供が寝たら二人で出かけたり、記念日をゆっくり祝ったり、気兼ねなく出来る。夫婦円満の秘訣だと思う。

2)子供を大事にしてくれる人が増える。子供が家族意外の人にも思いやりを持って接する事が出来る。これは、実際は親次第。でも子供が風邪をひいても、パニックしなくて済むし、いつも同じ人がいてくれるので、子供も安心できる。自分も普段から信頼出来る人に子供を預けられる。

3)振り向いたら何でも出来ている。出来る人だと、暑い時に帰ってきたら、気が付いたら冷たい麦茶が出てたりする。洗濯も出来てるし、食事も時間通りに食べられる。自分の集中したい事に時間と頭が使える。仕事での切り替えもスムーズに出来る。

4)子供にイライラする事が減る。例えば、一生懸命作った離乳食を食べない、酷い時は大泣きして床にぶちまけられたり、洗濯したところにおもらしするとか、仕方ないのが頭では理解できていても、か~~~~っとくる時に、さっと助けてくれるので、理想に近い形で子供に対して対応できる。優しくしたいのに怒っちゃう、ではなくて、怒る必要を感じた時に自分の考えを落ち着いてしっかりと伝える余裕が出来る。

マイナス:

1)いいメイドさんならいい人であるほど、子供が小さいと、母親よりメイドさんに懐く時期がある。下手するとずっと懐いちゃう子も。新菜の2歳から2歳半がこれだった。実良が産まれてからのドタバタもあって、暫く私との間に溝があった。3歳半の今、新菜なりに納得して、メイドさんとママは別物だという理解が出来てからは関係が良くなっているけど、一時期は拒否されたりして結構ショックだった。良くしてもらってる証拠だし、喜ばしいけど、母親としては少し嫉妬してしまう事も…なんだかんだ言っても他人は他人。しつけは親の領域、つまり怒ったり、お説教したりは親担当。だから、当然いつも優しくにこにこして、おやつをくれるメイドさんに懐く。成長すると、親とメイドさんの差が分かってくるけれど、小さい時は子供に理解してもらうのは難しい。もちろんメイドさんに当たるような事になってもいけないし。その気持ちを旦那さんともしっかり話し合い、サポートすしあうのも雇用主としてのチャレンジになる。

2)日本人は常識が大好き。でも、異国から来るメイドさんに常識という言葉は意味をなさない。『考えればわかるでしょう?』 いーえ、分かりません。結局は各家庭で色々な、口には出さない取り決めはあるので、それらの事はメイドさんが来る前からよーく考えて、これだけは、という事以外は妥協することも。旦那の家族と奥さんの家族で常識が合わないなんて言ってるレベルじゃない。シルクのワンピースがダメになったとしても、お気に入りのお皿を割られても、注意するのと次がないように解決策を練るのは必要だけど、怒るのは×。いじけちゃったりすると、下手な新人社員教育より大変。しかも子供を任せるわけで。うちでは、最初から彼女の常識がうちの常識と似ていたし、ミスをする人でもなかったので、助かったけど。しかも私は家事にこだわりがほぼない。それでも、何度か話し合いをして、説明に時間を使う事もあった。

3)うちに帰って来ても管理職をやってるのと同じ状態になる。部下のつもりで相手の性格や気持ちをいつも心に留めて、コミュニケーションをしていかなくてはいけないので、苦手な人には不向き。旦那との喧嘩や子供へのきい~、となってるところ全てが突き抜けなわけで、それを負担に思う人には辛い。

と、まあ、いくつかママとしての人を雇う時に心に留めておくことをまとめてみた。プラスとマイナスは大抵は同じ事の裏表。子供を大事にしてくれるからこそ、子供を取られたような気になる事もあり。家事が全てはかどっているからこそ、家が仕事の管理職みたいに感じられるし。

でも、これだけで済んだのは、正直で素直で働き者なうえに、自分との相性も良かった人が来てくれたから。実際はここまでいくまでに課題は山積みで、結構、悲惨な話もあるよね~。

日本人でシンガポールでメイドさんを雇ってみた事のある人で、良かった、という人とダメだったわ~、という人は私の知ってる狭い中でも半々くらいなんでは。良かったという人でも、一度はメイドさんを変えてたりするし。または6か月経った頃に色々出てきたり。しかも、雇った人がいい人でも、やっぱり縁みたいなのはあって、性格や感性が合わなくてもダメ。いい人が来てくれるかは殆んどが運。会って面接したって、面接のプロでもなくちゃ分からないことだらけ。仕事の巡り合いと同じ。メイドさんと上手く行かなくても、ダメなメイドさんだから、悪い雇用主だから、とはいかない。いい人二人でも、合わなきゃダメ。ボーイフレンドだって、悪人だから別れるわけでもないのと同じ。

日本では、各家庭が密室になっていて、夫婦や親子間でも問題が会った時に行政が対応できていない悲劇が数あるのに…監督、助言ってどのレベルでやるのか、トレーニング等は雇用される方だけではなくて、雇用する方に対してもあるのか。行政自体のトレーニングをどうするのか、バックアップ体制をしっかりと作って欲しいと思う。メイド文化の長いシンガポールでもいまだ色々な偏見や問題を抱えているのに、短絡的にとりあえず導入しちゃえ、という態度がみえみえで怖い。

今、大変な思いをして仕事と家庭を両立している家族の為にも、うちのメイドさんの様に、将来日本で素晴らしい仕事をしてくれるであろう人ためにも、女性、特にメイドさんを雇う経験のある女性や文化の違い等を真剣に考慮して、可能な限りのサポートをして欲しい。でなければすぐに犯罪や虐待に繋がってしまうのは明らかだ。

…我が家のメイドさんは無事出発した。空港から帰って来て気付いた。子供たちの部屋がすぐ寝られるように整えられている。水筒二つと、実良のおしゃぶりが並んでおかれて、明日の分のご飯が炊いてあった。月曜日に新菜がデイケアに持っていくシーツとタオルも準備してあった。最後まで、仕事してたんだ。うちの事を気遣って、かわいい子供達と触れ合える機会をありがとう、覚えていて貰えなくても、一生忘れないと彼女は言って去って行った。そんな素敵な巡り合いもある。この制度が、こんな出会いを沢山作ってくれますように。彼女には、またいつかどこかで会えると、子供達とも喜び合えると思っている。その日を今から楽しみにする事にして、とりあえず、明日のために昆布出汁でもとっとくか。

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